君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
花菜がその男の名を、神弥と呼んだ。


神弥と言えば…花菜をタブらかした男。


俺は怒りに任せて、神弥を殴る。



「【花菜をタブらかしやがって!】」



少しやり過ぎたかななんて思ったけど。



「無駄にデケぇんだよ!中身入ってねーんじゃねーの。」



そうでもなかったみたいだ。


神弥は俺を花菜の昔の男だと思ってたみてぇだけど…

それを花菜は豪快に笑って否定した。


また…胸が痛い。



「じゃあ…なんで俺は殴られたんだよ?」


「【そんなん…】」



うっかり花菜が好きだからと言いそうになった俺の声は、



「もちろん、崇大がお姉ちゃん大好きっ子だからだよねー。」



母さんの声に遮られた。
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