君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
《花菜ー!崇大ー!ご飯出来たわよー!》



あぁ、救世主だわ、母さん。



「今行くー!」



急いで崇大の部屋を出る私。


が、何故か進めない。



「【待てよ、バカナ。】」


「放しなさいよ、崇大!」



崇大に腰を掴まれて、進みたくても進めない。



「【なぁ、花菜。】」


「…何よ。」



放してくれないことを悟った私は、崇大に向き直る。


向き合うと真剣な瞳とぶつかった。



「【…本当に、神弥とかって奴を好きなんかよ。】」



背の高い崇大が、シュンと首を垂らす。



「中野 神弥?………べ、別に好きじゃないし!」


「【…本当か?】」


「な、何で嘘つかなきゃいけないの。て言うか、アンタに関係ないでしょ!」



捲し立てるように言って、階段をかけ降りる。


腰を掴んでいた崇大の腕は、いつの間にか離れていた。
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