転生悪役幼女は最恐パパの愛娘になりました
晩餐の準備が整うまで、サマラは自室に戻りひとりで過ごすことにした。
とりあえず、ディーとのファーストコンタクトはまずまずといったところだろう。晩餐でのお喋りまでに、さらに作戦を練る必要がある。
(えーっと、ディーのこともっとよく思い出さなくっちゃ)
サマラは部屋に戻るなり、使っていないノートを取り出して机に向かった。そこにすごい勢いで、頭の中にある『魔法の国の恋人』の情報を書き込んでいく。
頭の中にゴチャゴチャとしている情報をプットアウトしてまとめる必要があったし、それに前世の記憶がいつまでも残っているとも限らない。時間と共に大事なことを忘れてしまわないように書き留める必要があった。
(ディーは確か……、自分のことを怖がらず、素直に接してくれるリリザに惹かれたのよね)
ゲーム全体の概要をまとめ終わると、サマラはディーの情報のまとめに入った。ゲーム内の台詞を逐一思い出し、リリザがなぜ彼の愛を受けることが出来たのかを分析していく。
(ゲームの説明ではディーは強大すぎる魔力持ちなことが災いして、王宮中の人に尊敬されつつも怖がられてるのよね。それに人嫌いで口も悪いから、カレオくらいしかまともに話す人がいなくて……。でもリリザだけは初対面のときから『あなたが伝説の魔法使いですか!?』って、無邪気に接してきて、それがディーの心を動かしたんだっけ)
ディーを攻略するポイントは、一に彼を怖がらないこと。二に素直なことだ。