転生悪役幼女は最恐パパの愛娘になりました
断ることも出来ず、かといって他に想い人がいるのにディーを愛することも出来ず、ナーニアは曖昧な態度のまま彼のそばに居続けた。しかし、巨大竜退治の前に求婚されてしまい、彼女は追い詰められてしまう。
そんなときだった。ずっと思い続けていた幼なじみもナーニアのことを愛していると判明し、ふたりの想いが通じ合ってしまったのは。

巨大竜退治から帰ってきたディーは救国の英雄扱いで、魔公爵という身分まで得た。大陸でもっとも称えられている男からの求婚を、断れる女がいるだろうか。もはやナーニアに抗う術はなく、彼女は運命に流されるようにディーと結婚するしかなかった。

大陸の英雄・魔公爵の妻。誰もが羨む座に就きながら、ナーニアは不幸だった。彼女の心には愛して止まない別の男がいる。ディーのことはこれっぽっちも愛していない。魔法の師匠としては優秀だったけれど、本当はナーニアは昔から彼が怖かった。桁外れの魔力を持ちながらぶっきらぼうで何を考えているかわからない彼が。

ディーが愛おしく思っていた笑顔はすべて彼女が自分を守るための作り物で、ナーニアが心を開いたことなど一度たりともない。すべては偽り、ディーが手にした愛と幸福はナーニアの嘘と怯えで出来ていた。

ディーの悲劇は、妻がロマンチストであったことだ。
不幸であるほど彼女の幼馴染への恋心は燃え上がり、ナーニアは人の道に外れた恋を真実の愛だと思い込むようになる。
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