独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい

「悪い。浮気されて傷ついていた女性に、手を出しちゃダメだったよな」

「待って、ください。今、なんて……」

 視線を逸らし、何度目かのため息を吐きそうな海斗さんを見つめる。ゆっくりとこちらに眼差しが戻ると、少し驚いたような顔をしてからこぼす。

「重要な順番が、守られていなかったか」

「重要な?」

 胸はドキドキと騒がしくなり、見つめ合う瞳から目が離せない。薄い唇は相変わらず色気を醸し出す。

「由莉奈、好きだよ」

 甘い囁きは耳をくすぐる。目を細められ、そっと頬に手が触れる。

「好きだ」

 まぶたに優しく唇が重なり、それから頬に鼻に、キスが降りて、唇にも優しく触れる。

 向けられる甘い雰囲気に流されてしまいそうで、どうにか腕を突っ撥ねて彼の体を押しやる。

「嫌?」

 胸が締め付けられる切ない声。
 嫌なわけじゃない。それどころか……。
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