独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
「染谷ケミカルホールディングスが業務提携をする会社の、企業戦略コンサルタントを主に担っている。小さい会社ながらも、有能な人材が揃っている」
コンサルタントって……まさか。
「リチャードは仕事面では、信頼のおける人物だ」
記憶の中の名前と一致して、愕然とする。
まただ。私が頑張ったと思っていたのは思い込みで、海斗さんの手のひらで踊らされていただけだった。
たまたま、外国の和菓子好きの方が来店して、今までは買わなかったのに私がお勧めした商品を買ってくれるなんて、そんな都合のいい話があるわけないんだ。
腿の上で、スカートをギュッと握り締める。
「楽しかったですか? 買ってもらえたって喜んで、うちの商品をお茶会で使ってもらえるって浮かれて」
海斗さんはなにも言わない。
「私が英語で和菓子の説明をするために出席してほしいと言われて、必要とされているんだって勘違いまでして」
「そこまで話が進んでいたんだな」
知らないふりをされても、白々しいだけ。
放っておいてくれればいいのに。そしたら、こんな風に惨めな思いをしなくて済んだだろう。