独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
仕事を終え、マンションに戻ると海斗さんの方が先に帰っていた。
「おかえり」
「ただいま、戻りました」
ぎこちなく挨拶をすると、歩み寄ってくる気配を感じ体を固くする。
「少しだけ、抱き締めさせて」
「……はい」
そっと抱き寄せられ、その腕に甘んじる。回される腕は温かい。
放っておいてほしかったのは本心で、それでもそれ以上に私を思ってくれているのが痛いほど伝わる。
私のちっぽけなプライドなんかより、もっと大切なことがあるかもしれない。
頭には口づけが落とされ、醸し出されている雰囲気は優しくて甘い。
「離れたがいが、夕食にしよう」
そう言いながら額にもキスを落とし、甘い鳥籠から解放された。