独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい

 仕事を終え、マンションに戻ると海斗さんの方が先に帰っていた。

「おかえり」

「ただいま、戻りました」

 ぎこちなく挨拶をすると、歩み寄ってくる気配を感じ体を固くする。

「少しだけ、抱き締めさせて」

「……はい」

 そっと抱き寄せられ、その腕に甘んじる。回される腕は温かい。

 放っておいてほしかったのは本心で、それでもそれ以上に私を思ってくれているのが痛いほど伝わる。

 私のちっぽけなプライドなんかより、もっと大切なことがあるかもしれない。

 頭には口づけが落とされ、醸し出されている雰囲気は優しくて甘い。

「離れたがいが、夕食にしよう」

 そう言いながら額にもキスを落とし、甘い鳥籠から解放された。
< 135 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop