独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
食事も入浴も済ませ、ソファに座る。
ゆったりとした穏やかな時間。
「リチャードは仕事関連のパーティーの場で、和菓子に触れ合う機会を設けたいと考えていたみたいだ」
「それは、はい。そうおっしゃっていました」
リチャードさんのメールを回想して、頷く。
「一緒に働く外国出身の同僚はもとより、日本人にも和菓子の良さを知らない人がいる。それをもったいないと思うくらい、リチャードは和菓子に魅了されていて」
リチャードさんの和菓子に対しての思いの深さを改めて知り、自分の勘違いを恥ずかしく思う。
「いいと思っているからこそ、これぞという和菓子を選びたいと思っていたようだ。決め兼ねていたときに、父が由莉奈の話をした。リチャードは、父に聞く前から川瀬を知っていたようだけどね」
「そう、だったんですね」
「俺も由莉奈と同じだ。染谷の会社が関わっていると知り、父に詰め寄った。『勝手なことするな』って。久しぶりに、父と言い争ったよ」
その状況を思い出しているのか、苦く笑う。
私から茶会の話を聞き、もしかしてと思い、自身の父親に確認をしに昨日は出向いたのだと明かされる。