独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
「ごめんなさい。私のせいで」
「いや、誤解が解けたのなら、それでいい」
目を細め、私を見つめて告げる。
「川瀬の和菓子に心奪われていると、熱心に説明してくれる女性が現れた。それも英語でね。その女性のおかげで、ますます川瀬の和菓子に興味を持ったそうだ」
川瀬の和菓子を褒めてくれた言葉も、翼さんに向けた発言も、全て本心からだったのだと感じられ、嬉しくなる。
そして、私の行いを改めてこんな風に言われると、気恥ずかしい思いと共に誇らしくなる。微力だとしても、川瀬の役に立てているのだと。
「由莉奈はもっと自分の仕事ぶりに、胸を張っていい。気遣いもなにもかも、由莉奈だからこそだ」
手が伸びてきて、流れている髪を耳にかける。その手は、そのまま頬を撫でる。
視線も仕草も、なにもかもがくすぐったい。
頬に触れていた手は私の手を握り、指を絡ませて持ち上げられ、手の甲に口づけを落とす。
妖艶な仕草に、胸はドキドキと鼓動を早める。
「最初のパーティーの件は断ったそうだね」
これは海斗さんが、リチャードさんに関わりがあると知る前の話。規模が大きくて、とてもじゃないけれど請け負えないと思ったから。