独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
「どうして、こんな」
妊娠して困るのは海斗さんも同じ。遊んで捨てるつもりで避妊しなかったのなら、姿を消すのが一番だ。
そもそもアフターピルの説明をわざわざするのなら、彼が避妊すればよかったのでは?
私の考えを読んだみたいに、補足される。
「こういうホテルに、避妊具は置いてないんだよ。直前まで俺は帰るつもりだったから、用意もしていない」
これにはぐうの音も出ない。全て身から出た錆。自分のせいだ。避妊も男性任せで、一夜の過ちを犯そうだなんて、危険な真似……。
「そういう顔をしないの。俺は由莉奈ちゃんが妊娠しても責任を取るつもりで、というより、そうなってくれれば東京に行っても会える口実になるだろ? 俺はそういう狡い男だよ」
今まで通りの優しい顔で言われ、言葉に詰まる。
「さあ、悪いけど、あんまりのんびりも出来ないんだ。飛行機の時間があるから」
「食べよう」と促され、無理矢理口に詰め込んだ。味なんて感じる余裕はどこにもなかった。