独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
私の反抗なんて痛くも痒くもないだろうけれど、嫌味を込めて切り返す。
「ご自分でご自分を、一流の男だと?」
「違ったかな? 少なくとも夜のあちらの力量はあると自負しているが、どうだった?」
「知りません!」
悪い顔で笑みを作る海斗さんは、会社での染谷さんとも、石垣島での海斗さんとも違い、別人に思える。
「あの後、体は大丈夫?」
「どういう……」
私の体をいたわる視線を向けられ、落ち着かない気持ちになる。
私を気遣っているような素振りはやめて。全部、嘘だったのでしょう?
「無理をさせたし、それに」
言葉を切る海斗さんを、不安げに見つめる。
「いや、やめておこう」
それから海斗さんは食事を始め、口数が少なくなった。私も手持ち無沙汰もあり、目の前の料理に箸をつける。
悔しいくらいおいしい食事に、なかった食欲も戻ってきて食べ進める。
こんな風にもう一度海斗さんと食事が出来たらと、何度夢見たことか。今、思ってもみなかった形で実現している。