独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい

「仕組まれたロマンスだったのですね」

 皮肉を込めて言ったつもりが、海斗さんは嬉しそうに頬を緩ませる。

「ロマンスと、思ってくれていたんだね」

 口を滑らせてしまったと、気づいてももう遅い。

「仮にそうだとしても、今は何の意味も持ちません」

 拒絶する態度を見せても、海斗さんは悠然としている。

「あの夜のことをお父さんに言われたら、困るはずだ」

 落ち着いた低い声が、今は不安にさせる。

「それはあなたも同じでしょう?」

「あなた、ね」

 そう言って、海斗さんの目は怪しく細められる。

「ピルは飲まなかった。そうだろう?」

 目を見開き、言葉を失う。

「ひとりで育てるつもりだった?」

 頭を左右に振り、抵抗を見せても暴かれていく。

「あの日、体を許すほどの想いでいてくれた相手との子どもを、自分の手で無しにできるような子じゃない」

「私の、なにを知っているというのですか?」

「知っているのは、可愛いことだけかもしれないね。だから、これから知っていきたいと思っているよ」

 柔らかな視線を向けられ、上手く海斗さんを見られなかった。
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