独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
上辺だけの会話を済ませ、進められるまま入浴をする。ここにいる理由はもうないはずなのに、帰るともう一度言えばいいのに、その台詞が口から出てこない。
どんな理由でもいいから、彼の傍にいたい。自分の意思の弱い本音が見え隠れして、嫌になる。
海斗さんに誇れる自分になるために、会わないと固い決意をしていたのに。
「由莉奈。いつまでも待つから、腕に抱いて眠らせてほしい」
承諾を得る前に手を引かれ、寝室へと誘われる。そしてそのままベッドに入れられ、体は海斗さんに寄りかかるみたいに密着する。
「やっ。あの。重いですから」
「いいから。もう寝よう」
すぐに規則正しい息遣いが聞こえ、寝てしまったのだと知る。強引な行動に戸惑っているくせに、手を振り払って拒めない。
強張っている体をそっと緩め、海斗さんの胸元に顔を埋める。
温かなぬくもりに涙が出そうになりながらも、いつの間にか眠っていた。