独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
「『由莉奈には、普通の幸せを手に入れてほしい。染谷くんと結婚しては、社長夫人として茨の道が待っているから』なんて言うし、『モテるだろうから、浮気されて由莉奈が泣くのが目に見えている』と」
お父様ったら、それであてがった社内の婚約者に浮気されるなんて、笑い話にもならないわ。
自分の父ながら、呆れた心持ちになる。
片付けを終え、ソファに座り直しても尚、話は続く。
「そこでハッとした。常日頃から、女性からの誘いは多い方なんだが」
「ご自分で言わないでください」
急にモテ自慢が始まり、嫌味も言いたくなる。
「これは、失礼。話の流れで重要なんだ。我慢して聞いて」
手を優しく撫でられ、口を噤む。
ズルイよ。こんなときに甘やかすような素振りを見せて。
火照りそうな顔を隠しつつ、続きを聞く。