ねえ、私を見て
第7章 やり直そう
それから日奈人君は、私をホテルに誘わなくなった。

「くららさん。今日は、これで帰ろう。」

「ん……」

酔った私は目がトロンとしている。

一人で飲んでいたら、お持ち帰りされている事だろう。

「ホテルは?」

何気なく聞いてみると、日奈人君からの返事はない。

「日奈人君?」

「今日は、ホテルに行かずに、このまま帰ろう。」

そう言って、お会計を済ませた。


この前の夜から、日奈人君は冷たくなった。

仕事中もLineをしてこなくなったし、メモすら渡してくれない。

私がLineしても、返事が来ない。

こうして会っても、一緒に食事に行くだけで、ホテルに行こうともしない。

なぜなんだろう。
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