ねえ、私を見て
「早く包丁を捨てるんだ。」

「いや……」

私は包丁を上にあげた。

「これで私、死ぬの。」

「何、言ってるんだよ。」

「だって、生きていても、仕方ないもん。」

自然に涙が出て来た。

「要ちゃんは、まだあの女の子と会ってるんでしょ。」

「会ってないよ。別れたって言っただろ。」

「うそっ!」

私は今度は震える手で、首に包丁を向けた。

「止めろ!くらら!」

「来ないで!」

「くらら!」

包丁をクビに押し当てたら、夫が包丁を持つ、私の手を握った。

「死なせないからな。」

私は夫の顔を見た。

「くらら。俺と一緒に生きていくんだ。」

そう言うと包丁をシンクの方へ、投げ捨てた。

「あっ……」
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