ねえ、私を見て
「うっ……」

パタパタとトイレに行くと、どうやら吐き気だけのようだった。

「大丈夫か?くらら。」

夫も心配そうに、トイレに来てくれた。

「吐いたのか?」

「ううん。」

「もう気持ち悪くない?」

「うん。大丈夫。」

トイレを出ると、ある事が頭に浮かんだ。

生理、今月来てない。

もしかして、妊娠?

こんな時に?


「くらら?どうした?」

「要ちゃん。私、赤ちゃんできたかも。」

「えっ……」

夫は、顔を真っ赤にしていた。

「本当に?」

「病院に行ってみないと、まだ、分かんない。」

「そうか。」

ダイニングに戻って来た夫は、ちょっと浮かれていた。

「よし!俺も禁酒する。」
< 143 / 147 >

この作品をシェア

pagetop