ねえ、私を見て
日奈人君は、二ッと笑った。

「ほら俺、昨日の夜。激しくしちゃったから。」

不覚にもドキッとしてしまった。

「こら。二人でコソコソ、何を話してるの。」

園子が日奈人君の頭を、紙で叩く。

「そう言えば二人、私が帰った後、どこか行った?」

私と日奈人君は、顔を見合わせた。

「……ううん。どこにも行ってないけど。」

「へえ。真っすぐ帰ったんだ。」

「はい。」

二人共ドキドキ。

どうしても園子にだけは、日奈人君とHしちゃった事、知られたくない。

「ならいいんだ。帰る時ちらっと見たら、二人で駅とは反対方向に歩いていったからさ。」

まずい。

しっかりと見られていたんだ。

「ああ、俺が駅とは反対方向に、自転車停めちゃって。それで澤田さんが付いてきてくれたんです。」
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