ねえ、私を見て
第3章 これはセフレ?
泣くくらいなら、日奈人君との事、止めればいいのに。

その日は、天気が雨で。

水色の傘を差して、私は会社へ出社した。

「おはよう、園子。」

「おはよう。」

園子は朝が早い。

私よりも先に来ている事が多い。

一度遅刻しそうになったけれど、それは二日酔いが原因だって、言ってたっけ。

「ねえ、くらら。相馬君がいない間に、聞きたいんだけど。」

「なに?」

まさか相馬君の進退?

園子自身、いい人材が入ったって、喜んでいたのに。

「くらら。相馬君と何かあったでしょう?」

「えっ?」

雨音が更に大きく聞こえる。

「ううん。何もないけれど……」

「じゃあ、相馬君の片想い?」

何も言えなかった。

日奈人君からの告白が、頭の中に浮かぶ。

「相馬君。仕事の最中、結構な頻度でくららを見ているわ。」
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