ねえ、私を見て
「それは、デスクが隣だし。もしかしたら、何か聞きたいのかもしれないし。」

「本当にそう思う?」

ドキッとする。

園子はこういう事も、勘がいい。

そして、園子に片想いだと言わせるくらい、日奈人君が私を見つめてくれていたなんて、すごく嬉しい。

「その顔、久しぶりに見るわ。」

「えっ?」

「前見せたのは、旦那さんとの結婚報告だったよね。」

私は驚いた。

園子がそんなに、私の事を知っていたなんて。


「正直に話して。」

園子の優しい口調に、気持ちが揺らぐ。

浮気をしている人って、友達に聞かれたら、正直に言うのかしら。

「本当に、何でもないのよ。」

まさか、自分から不倫をしているなんて、普通の人間だったら、言わない。

「そう。なら、いいんだけど。」
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