ねえ、私を見て
ふと振り返ると、日奈人君がボーっとしていた。

「日奈人君?」

目を合わせると、ニコッと笑った。

「最近仕事でも、ボーっとしている時があるよね。悩みでもあるの?」

「ううん。悩みなんてないよ。」

彼は服を着て、髪を手櫛で整えた。

「唯一悩みがあるとすれば、くららさんとホテル以外で会うには、どうしたらいいかって、迷っている。」

「迷ってる?」

「日常に溶け込んで、二人は恋人同士だよって、見せつけながらデートするか、それとも二人だけでどこかに行って、ひっそりと二人だけの時間を過ごすか。」

その選択肢に、思わず微笑んでしまった。

「日奈人君はどっちがいいの?」

「俺は、くららさんがいい方を選ぶよ。」

そう言って貰えると、本当は私の事すきなんじゃないかって、思ってしまう。
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