ねえ、私を見て
「くららさん。このお店入らない?」

それは、男性物の洋服屋さんだった。

「うん。」

なんとなく、日奈人君っぽい感じがする。

お店に入ると、日奈人君は次々と洋服を見ていく。

「日奈人君は、これがいいと思ったら、直ぐに買うの?」

「そうだね。男物の服って、売ってる場所自体、少ないじゃん。だから、いいと思った服は直ぐ無くなっちゃうからさ。」

そして日奈人君は、一つのシャツを体に当てた。

「いいじゃない、それ。似合うよ。」

「そう?」

若い男の子が楽しそうにショッピングしているところを見るって、こっちまで楽しくなる。

「じゃあ、くららさんの見立て通り、これにしようかな。」

その言葉を聞いて私は、そのシャツを日奈人君から奪った。

「私が買ってあげるわよ。」
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