ねえ、私を見て
こうして、外で出てデートを楽しんでいる時でさえ。

それは私にとって、所帯じみているように思えた。

「くららさん、砂糖いる?」

「うん。」

日奈人は、トレーに二人分のコーヒーを置いて、席まで運んでくれた。

「そう言えば、日奈人君の夢、進んでいる?」

「進んでいますよ、お陰様で。」

日奈人君の夢、サイトを立ち上げる事だったな。

「やっぱり、夢が叶ったら、ウチの会社辞めるんでしょ。」

「うーん。」

日奈人君は迷っている。

「最初はそう思っていたけれどね。くららさん、俺がいなくなったら寂しい?」

「寂しいけれど、それが日奈人君の夢なら、仕方ないよ。」

コーヒーを飲む手が寂しい。

今直ぐに日奈人君の手を握りたいのに、遠慮している自分がいる。
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