ねえ、私を見て
第5章 浮気しているよ
夕食の買い物をして家に帰ると、夫は既に帰宅。

最近、仕事から帰って来るのが早い。

「ただいま、要ちゃん。」

「お帰り。」

夫はなんだか、不機嫌だった。

「最近、帰りが遅いね。」

夫の言葉に、ドキッとした。

「そうかな。要ちゃんが早く帰って来るから、そう思うじゃない?」

夫はネクタイを外して、私の後ろに立った。

「疲れているだろう?今日は、何か食べに行こうか。」

首にかかる夫の吐息。

久しぶり過ぎて、そっと離れてしまった。

「何で、俺から離れるの?」

「えっ?気のせいよ。」

髪を掻き上げようとした腕を、夫に捕まえられた。

「くらら。」

夫の顔が近づく。

キスを避けるには、距離が近すぎた。
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