ねえ、私を見て
カウンターの席に座り、私達はピザを2枚頼んだ。

「美味しいね。」

「うん、美味い。」

お酒もビールを飲み、久々の夫とのデートを楽しんだ。

「おっ、黒ビールがある。」

「えっ?」

夫が指を指したのは、アイリッシュパブで、飲まれているというビールだった。

「珍しいね。そんなの飲むなんて。」

「そうか?たまにはいいじゃないか。」

二人分頼むと、私達は乾杯して、黒ビールを飲んだ。

「なんだか要ちゃん、少し変わった。」

私の知らない夫がいるようで、不安になってきた。

「変ったのは、くららだよ。」

夫が真剣な目で見る。

「どこが?」

「艶っぽくなった。」

夫の優しい目線が、私に注がれる。

私はそれに応える事ができなかった。
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