双子の異世界・金色のはなびら
「リリン・・・」


クロノスとエレノアの前に姿を現したのは、ミネア王国のリリン王女だった。


「この子は私が小さな頃から育て上げた殺人獣だ。なかなかいい腕前だろう」


「リリンさん!?どうして」

「フフ・・・エレノア、残念だ。こいつらみたいに眠っていれば・・・痛い目をみることはなかったのに」


クロノスは兵のつけている剣を取りに行こうとしたが足の力が抜けその場でうずくまった。


「皇帝、アナタの酒にもたっぷり眠り薬を入れておいたんだが、なかなか強いお体の様だな」

「この程度なら・・多少は慣れている。侮るなよ」

「でも、フフフ・・意識を失うまで時間の問題だ。そうだろう?」

「お前・・・敵討ちか」

「そう、その通りだ」

「え!?」



リリンはサーベルタイガーの頬を撫でながら辛い顔をした。



「兄はこの国への進軍で死に、その報復の為に父は私にアナタを殺せと命じた。側室なんて生ぬるい話よ。
あの男は私に死ねと言ってここへよこした!母はあの男に何も言わない。
私にはアナタと刺し違えてでも殺せと!ハハハ・・滑稽だな」



一筋だけ、リリンは涙を流した。



「私は生まれたときから自由なんてない。幸せなんてない。親の道具として生まれてきた」



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