悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。
「いつから、つきあってるの?」
「え……?」
「漣と。
告白したのは、漣からでしょ?今も中学の時も海凪、江川以外の男子とほとんど話してなかったし」
我慢できずにぽろぽろと落ちてくる涙を拭っていたら、すずちゃんは目の前に置かれたメニューを手に取った。
「あの無愛想クール野郎と、いつどこでどんな風につきあって、どこまでいったのか、とことん吐いてもらうからね!それで、ここも奢って!それでチャラにしてあげる!」
「すずちゃん……」
「もー、泣かないの!
あたし、海凪の涙にはめちゃくちゃ弱いの!だから、甘いもの食べて、いっぱい話そ?」
「海凪の話聞いてて、秘密でつきあうことのつらさは分かってる。退学、だもんね。でも、その分お互い支え合おうよ。友達なんだから」
「っ……!」
なんて、優しい子なんだろう。
怒ったっていいはずなのに、突き放される覚悟だってできてたはずなのに。
すずちゃんはやっぱり優しいすずちゃんで。
「わかった。
ごめんね、すずちゃん」
「そこはありがとう、が聞きたいかな」
「ありがとうすずちゃん……大好きだよ」
「っ、もーっ、急にデレないでよ!
くすぐったいから!」
早く何にするか選ぶよ!
あたし、めちゃくちゃお腹空いてるんだから!
なんて目元を赤くして言うすずちゃんも、ちょっぴり泣いたみたいで。
ありがとう、すずちゃん。
もう一回心の中でそう言って、わたしもメニューを見始めた。