悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。
「し、失礼します……」
って、あれ?
先生が、いない……。
「あ、あのすみません……、
八雲先生っておられますか?」
「八雲先生?
あー、さっき、漣くんと書道室のほうに行くのが見えたよ」
「あ、ありがとうございます」
慌てて別の先生にお礼を言って、職員室を出る。
書道室は、確かすぐ近くだったはず。
少し歩いていたら、「書道室」と書かれたプレートが見えてきて、そのすぐ前で八雲先生と漣くんがふたりで話していた。
「あ、あの、先……」
「ほんと、どうしようかと思ったんだけど?
急に泣き出すからさぁ」
「どうでもいい。
つーか、4月からずっと思ってたことだし。やっと離れられる」
ん?
漣くん……なぜに、タメ口?
「おっ、きたか向坂!
こっちこっち!」
首をかしげていたら、先生がちょうど振り向いて。
「す、すみません、遅くなってしまって……っ」
慌ててふたりに駆け寄れば、大丈夫大丈夫と先生は笑った。