政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
キラキラと光る水面と同じく理仁のまぶしいほどの笑顔に引き寄せられ、菜摘はためらいつつプール際まで行った。
「ここに座って」
言われるまま腰を下ろす。デニムの裾を膝までまくり、足をそっと水に入れた。
「……気持ちいい」
「だろう?」
まるで自分の手柄のように理仁が満足そうに笑う。
炎天下のプールのため、もっと生ぬるいかと思いきや意外と冷たい。そしてそれがとても心地いい。
足をばたつかせてピチャピチャしていると、水を両手ですくった理仁が不意に菜摘にかけてよこした。
「な、なにするんですか」
いきなりだったため避けられず、Tシャツがしっとりと濡れる。すっかり油断していたため、闇討ちにあった気分だ。
「足だけじゃなく、もっと気持ちよくなったらいい。ほら、おいで」