政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
「あぁたしかにね」
理仁が小刻みに頷く。
「彼女、エリカさんは高校時代の先輩なんだ」
理仁まで彼女をファーストネームで呼ぶのを聞いて、なぜか胸がざわめく。だから親密そうだったのだ。
「そうですか……」
先輩後輩の仲よりも一歩踏み込んで感じるのは、菜摘の勝手な思い込みか。
「なに、妬いてくれてる?」
理仁はハンドルに手を置き、菜摘の顔を覗き込んだ。
「えっ」
「ヤキモチならうれしいね」
理仁の指摘にドキッとした。先ほどのエリカの理仁に対する接し方に嫌な感情を抱いたのは事実だ。
ただ、自分の感情の変化についていけず、素直に認められない。