政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~

「だろうね。でもまぁ、俺は絶対に間違えない自信があるけど。そのくらい菜摘を好きだってわかってる?」


理仁が自虐を込めて問いかける。
返事を求めているわけではないだろうが、菜摘は「はい」と返した。彼の気持ちに疑う余地はない。

理仁は〝菜摘が戻ったら〟寝室は一緒だと言っていたが、昨夜は別々に就寝。菜摘の気持ちがきちんと理仁に向くまで待つという。
同居にまで強引に持ち込んだわりには、土壇場で紳士的な態度をとるというちぐはぐさも大事にしてくれている証に思えて、菜摘の心を大きく揺らす一因に思えた。


「そ? わかってくれてるのなら大進歩だな」


理仁の横顔に満足そうな笑みが浮かんだ。
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