政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
(……どんなことをするつもり?)
うっかり妄想に花が咲き、菜摘の顔を真っ赤に染める。それはもう、かなり際どい画だ。
「今どんな想像した?」
即座に気づかれ、頬を撫でられる。その指先がどことなくいやらしくて、菜摘は目を思いきり泳がせた。
「べ、べつになにも」
言葉までしどろもどろになるからかなわない。強制的に合わせられた理仁の目が熱っぽくて、菜摘の鼓動をさらに跳ね上げた。
「そう? 俺と同じかと思ったんだけど」
そうだとしたら理仁も、とてつもなくすごい想像をしていることになる。
菜摘は吸い込んだ息で思わず「ゴホゴホ」とむせ込んだ。
「大丈夫か?」
またもやクククと笑われる。さんざんな朝である。