政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
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午後十一時。部屋の電気を消してベッドに入ったものの、外を吹き荒れる風と窓を激しく打ちつける雨で、菜摘はなかなか寝つけずにいた。
どんどんひどくなっていく雨風が菜摘の心まで大きく揺さぶる。理仁のおかげで今すぐ実家へ駆けつけなくてはという強迫観念こそなくなったが、ハラハラと落ち着かないのは変わらない。目を閉じても眠気は一向に訪れず、時間だけが過ぎていく。
ごうごうと荒れ狂う空模様が気になり、ベッドを抜け出る。カーテンを開けてみると、庭の木が横殴りの雨にさらされ、今にも根っこごと飛ばされそうだ。
(お願い、早く通り過ぎて……!)
両手をぎゅっと握りしめ、真っ暗な空に祈る。菜摘にできるのはそれくらいだった。