政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
「なに情けねえ顔してんだよ」
「だって、こんな……」
そう言いながら倒壊したハウスに振り返る。幻だったらよかったのに、凄まじい状況は変わらずそこにあった。
これまでにも台風で被害に遭ったことはある。でも今まで以上の惨状はテレビでしか見たことのないようなものだった。
「しょうがねえだろ。こうなっちゃったんだから」
「あんなにしっかり補強したのに」
完璧とはいかなくても、あれ以上をしろと言われても無理だったはず。
「所詮、自然には敵わないってこと。仕方ない仕方ない」
大地が軽い調子で手をひらひらとする。
「……なんでそんなに平気なの?」
「へ?」
顎を突き出してポカンとした顔はどこか他人事に見えて、菜摘の気持ちを逆なでした。