政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
「いいよべつに。とにかく早いところなんとかしよう。じいちゃんが退院するまでに元通りにしておかないと」
「そうだよね」
大地は菜摘の背中をトンと少し強めに叩き、気合を入れるようにした。
肩から提げていたバッグを玄関に置き、持参したグローブを手にはめてワークエプロンをつける。
とにかくやるしかない。大きく深呼吸して気持ちを入れ替えた。
八棟のハウスのうち、被害が大きかったのは三棟。骨組みが根こそぎ倒壊し、ビニールは吹き飛ばされて畑の隅に無残な姿で残っていた。
収穫もランナーの切り取りも終えた時期だったのが不幸中の幸いだ。
ほかの五棟もビニールは剥がれ、中が剥き出しになっている。一番気がかりだった今冬用の苗を収納していた小屋とファインベリーを栽培しているハウスは、比較的軽度の被害だったが、それでも入り込んだ風で中はぐちゃぐちゃ。すぐに手を入れないと枯れてしまう。
「ねえちゃんは苗の方を頼んだぞ。俺はまず、散らばったビニールとかパイプを片づけるから」
「うん、わかった」