政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~

大地は、いつの間にこんなに頼もしくなったのだろう。両親を亡くしたときには来る日も来る日も泣いていたのに。ひとりで眠れず、毎晩菜摘にぴったりくっついて寝ていたのに。
いきなり男っぽくなった大地が、菜摘はほんのちょっぴりむず痒くて、やけに誇らしかった。


そうして荒らされた苗をひとつずつ丁寧に移し替え、半分くらいまで終えたときだった。


「菜摘」


掛けられた声に顔を上げると、そこに理仁の姿があった。


「すみません、声もかけずに来て」


急いで立ち上がり、グローブについた土をパンパンと払う。


「菜摘なら台風が去ってすぐ向かうだろうとわかっていたから、俺もめちゃくちゃ早起きしたんだけど全然間に合わなかったな」


頭を掻きながら苦笑いする。
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