政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
よく見れば、理仁はストレッチデニムの作業着姿。体にフィットしたタイトなシルエットがとてもカッコいい。理仁という人間は、どんな格好でも素敵に着こなしてしまうようだ。いつもなら絶対に目にしないからか、普段のスーツ姿とのギャップに胸がときめく。
そんな彼を直視できずに目を逸らすと、べつのハウスの方にほかにも人影が見えた。
菜摘の視線に気づいたのか、理仁がチラッと後ろを振り返る。
「人手はたくさんあった方がいいと思ってさ」
「手配してくれたんですか?」
「一樹の伝手でね」
以前、紹介してくれた高校時代の友人。空間デザインの会社社長だ。
「おはよう、菜摘さん」
その彼本人が理仁の背後から顔を出した。被っていた帽子を軽く浮かせる。理仁同様にスタイリッシュな作業着に身を包み、白い歯を見せた。
「久城さんまですみません……!」
「理仁に『大事な菜摘のため』って言われたら断れないからね」