政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
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方々に飛ばされたパイプやビニールを片づけ、凄まじい状態だった畑がなんとか見られる状態になったのは、もうすぐ日が暮れようとしている頃だった。
骨組みから倒壊したハウスはきれいさっぱり取り払い、なんとかパイプが残っている状態のハウスは崩れた個所を修繕。荒れてしまった来季用の苗やファインベリーを無事なハウスへ移動するのもほぼできた。
この後もちゃんと実を付けるか不安は残るが、どうにか形だけは整えられただろう。
「みなさん、本当にありがとうございました!」
大地と揃って深く頭を下げる。
大勢の人の手助けがなかったら、とてもじゃないがここまではできなかったはず。
理仁も菜摘の隣でみんなにお礼を言ってくれたのが印象的だった。すっかり家族になった気がして照れくさい。
「菜摘さんも大地くんも、これからもまだ大変だろうけどがんばれよ! またなにかあったら駆けつけるからさ」
久城から激励され、思わず目の奥が熱くなる。一樹だけではなく、ほかの人たちからの「がんばれよ」の言葉に胸がいっぱいになった。