政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~

◇◇◇◇◇

みんなを見送った後、玄関に置いていたバッグを手に取り、大地に声を掛ける。


「じゃ大地、今夜はゆっくり休んでね」
「ねえちゃんもな。日高さん、姉をよろしくお願いします」
「それなら任せて。じゃ、おやすみ」


なんともくすぐったいやり取りをされ、恥ずかしくてそそくさと玄関を出る。見上げた空には星が瞬いていた。嵐が都会の汚れた空気を一掃していったのか、いつもよりもくっきりと見える。

(……ひと仕事終えて清々しいせいもあるのかな)

気持ちの明暗は、目に入るものの見え方を変えるもの。理仁が応援に駆けつけてくれたうれしさもあるのかもしれない。
車に乗り込み、改めて理仁にお礼を言う。


「今日は本当にありがとうございました」


何度言っても足りている気がしない。
理仁には自分の仕事もあっただろう。それは久城をはじめとしたみんなも。
それなのに菜摘の実家を優先させてしまったのは申し訳ない。
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