政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~

郁子が何気なく口にした言葉に軽く落ち込む。親密な雰囲気は、この前菜摘も感じていたから。


「あ、親しいって深い意味はないからね? 普通に友人って意味だから」


菜摘の様子に気づいた郁子が急いで訂正する。


「わかってるよ」


菜摘が変に勘繰っただけ。恋愛感情が絡むと、人の心は厄介だと思わずにはいられない。油断すると度を越した嫉妬心がひょっこり顔を出すから気をつけなくては。

菜摘は気を取りなおしてチョコと塩キャラメルのタルトを味わった。
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