政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~

感慨深げに頷いた後、和夫の視線が菜摘に向けられる。


「菜摘は本当にそれでいいんだね?」


農園を抜きにした菜摘自身の気持ちを聞いているのだろう。優しく問いかける口調と眼差しだった。
強くしっかり頷いてから菜摘が続ける。


「理仁さんが好きなの」


迷いもためらいもなにもない。素直な気持ちを和夫に打ち明けた。
やけに清々しくて気持ちが晴れやかになる。それと同時に背筋がピンと伸びる思いだった。

和夫の顔がにこやかになる。


「そうかそうか。日高さんを」


うれしそうに頷きながら、和夫は理仁と菜摘の顔を交互に見つめた。

和夫が農園の安泰よりも菜摘の幸せを願っているのは、菜摘自身もよくわかっている。そうでなければ、最初に理仁が農園の存続と引き換えに結婚を提案したときにすぐさま乗っていただろうから。
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