政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
さらに甘い空気が舞い降りる気配がして、恥ずかしさからわざと明るい声で理仁の腕をするりと逃れた。
「その必要はないよ」
即座に手を掴まれ、ぐいと引き寄せられる。
「今夜は俺が作る」
「えっ?」
思いがけない言葉だったため、菜摘の声が甲高くなる。
「お料理できるんですか?」
てっきりできないとばかり思っていたけれど。
「いや」
「……え?」
「ほとんどやったことはない。あるとすれば目玉焼きくらいだな」
菜摘は思わず吹き出した。
「やっぱりそうだと思いました」
「やっぱりってなんだよ」