政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
笑いを堪えて首を横に振る。
「いや、その顔は思ってる」
「言いがかりですってば」
「俺の目は誤魔化せないぞ」
鋭くした目でじっと見つめられ、もはや菜摘も観念だった。
「……ごめんなさい」
菜摘が素直に謝るとは思っていなかったのか、理仁の目が点になる。
その数秒後、ふたり同時に吹き出した。
「じゃ、奥さんの手を借りるとするか」
「お任せくださいませ、旦那様」
〝奥さん〟という言葉に恥ずかしくなったため、負けずに冗談めかして返す。理仁まで照れたように見えたから大失敗だ。
「そ、それじゃ、作りますね」
あたふたしながら、まずは何種類も出された鍋の片づけからはじめた。