政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~

「はい、あーん」


理仁は少し照れくさそうに口を開いてタルトを迎え入れた。


「おいしいですよね」
「ミレーヌの有能なパティシエが作ったものだからね。でも俺は、ケーキをおいしそうに食べてる菜摘を食べたい」
「えっ?」


菜摘が驚いているうちに唇が重なる。理仁はキスをしながら菜摘からフォークを取り上げ、テーブルに置いた。


「まさ、ひ……んっ、待っ……て」
「待たない」


有無を言わせないキス。すぐさま口を割って入ってきた理仁の舌が、菜摘の舌を絡め取る。タルトの甘い味が口の中全体に広がっていく。上顎が弱い菜摘はそこをくすぐられて力が抜けそうになり、理仁のシャツをぎゅっと握った。

たちまち上がっていくキスの温度。それはふたりの体温もじりじりと上げていく。
その先まで予感させるキスを菜摘は押しとどめた。彼の胸を両手で押し、唇が解ける。
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