政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~

「だから菜摘が今考えるべきなのは俺のことだけ」
「なんですかそれ」


思わずクスクス笑う。


「今の笑うところじゃないぞ」


理仁は菜摘の両頬を軽く摘まんだ。


「だってケーキにヤキモチ焼いてるみたいで」
「悪かったな。嫉妬深い男で」


不服そうに眉根を寄せる。そんな顔でさえ愛しい。


「でもケーキだけじゃない。イチゴには猛烈に焼けるね」
「イチゴにまで?」
「菜摘は朝から晩までイチゴで頭がいっぱいだろ?」
「そんなことないです」


もちろん苗の生育状況だとか今年の動向はどうだろうとか、ファインベリーの状況も気にはなる。でも、さすがに朝から晩までではない。


「いや、菜摘の頭の中はイチゴでいっぱいだ。俺だけ菜摘に溺れていたら悔しいから、たまには俺だけで満たしてやるんだ。これは愛のある報復」
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