カラダから始まる政略結婚~一夜限りのはずが、若旦那と夫婦の契りを交わしました~
すると、鳴海くんは私に向かって深々と頭を下げた。
「すみませんでした」
驚いて目を見開くと、彼は顔を上げないまま続ける。
「写真の件だけではありません。茶会の着物も、相応しくないとわかっていて着付けました。わざと和カフェの納品を遅らせて、桃さんがひとりで茶会に参加するよう仕向けたのも俺です。着物を美澄さんが用意したと嘘をついて、陥れようとしました」
やっと不可解な謎が解明した。
うやむやになっていた茶会の着物は、すべて私が若女将になるのを防ぐために美冬さんが計画した罠だったのだ。
茶会に私を呼んだのも、恥をかかせて評判を落とすため。鳴海くんは、それを知った上で協力していた。
千里さんが気づいて助けに来てくれなかったら、どうなっていたのだろう。
隣で頭を下げる青年を見て、美冬さんが動揺して口を開く。
「どうしてあなたが謝るの。今日だって、ここに来なければ悪者は私だけだったのに」