哀恋の先で、泣いて。
学校から近いファーストフード店で働こうと思った理由はとくにないし、とくにないからこそ苦労したし、思ったよりも大変で何度も失敗した。
マニュアルを見ても上手く作れないし、火傷がこわくてポテトは揚げられないし、掃除も他の人はテキパキこないしていたけれど、私は遅かった。
右も左もわからない私に手を差し伸べてくれたのが麻弥で、彼の「大丈夫?」という言葉に救われて、ひとつしか変わらないのに大人に見えて。
「ここはこうするといいよ」
「ああいうときはこうしなよ」
「クレーマーが来たら俺のこと呼んで」
いつも笑って、私が失敗しても「大丈夫大丈夫」と笑ってくれて、私が落ち込んでいると笑わせてくれて、彼に惹かれるのに時間はかからなかった。
マニュアルを見ても上手く作れないし、火傷がこわくてポテトは揚げられないし、掃除も他の人はテキパキこないしていたけれど、私は遅かった。
右も左もわからない私に手を差し伸べてくれたのが麻弥で、彼の「大丈夫?」という言葉に救われて、ひとつしか変わらないのに大人に見えて。
「ここはこうするといいよ」
「ああいうときはこうしなよ」
「クレーマーが来たら俺のこと呼んで」
いつも笑って、私が失敗しても「大丈夫大丈夫」と笑ってくれて、私が落ち込んでいると笑わせてくれて、彼に惹かれるのに時間はかからなかった。