旦那様、離婚はいつにしましょうか~御曹司と清く正しい契約結婚~
「無理かどうかはやってみなければわかりません。現在打診している店舗にお断りを入れる場合は、より利益が見込める別のモールを提案します。それによってかさむ経費は、私が責任をもって通してもらいます。あとは……」


 相馬さんは私たちの戸惑いなどお見通しで、いとも簡単に改善案を示していく。

 しかも、まったくためらいがない。


「相馬さん。アメリカがどうだったかわかりませんが、ここは日本です。そこまで徹底的にやらなくてもそれなりの利益は見込めますよ」


 古屋さんが食い下がると、相馬さんは首を横に振った。


「〝それなり〟の利益など求めていません。七瀬さんが言ったように、渋谷は我が社が牛耳るつもりです」


 私は皆を鼓舞(こぶ)するつもりで口にしたが、相馬さんはすこぶる平然としていて当然だと言わんばかり。

 みなぎる自信に誰も反論できなくなった。



 そこで一旦会議は終了した。
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