旦那様、離婚はいつにしましょうか~御曹司と清く正しい契約結婚~
 宝石が散らばっているかのような光景はため息が出るほど美しいのに、今日の私はそれを楽しめる気分ではない。


 窓際にはいくつか席が設けられているが、それぞれ窓に向かって並んで座るようなスタイル。

 しかも観葉植物で仕切られていて、さりげなくプライバシーが守られていた。


 隣に座った相馬さんとの距離が近くて腰が引けたものの、彼は気にしている様子もない。


「七瀬飲めるよね。なににする?」


 彼の歓迎会をしたとき、それなりにビールを飲んでいたのでそう言うのだろう。

 あのときは席が離れていたのによく観察している。


「ジュースで」


 悪い飲み方をしそうだと思った私は自制した。

 それなのに彼は「今日は面倒見てやるから」と私にメニューを押し付ける。


 面倒見るって……。
 泥酔が前提みたいじゃない。


「知りませんよ」


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