旦那様、離婚はいつにしましょうか~御曹司と清く正しい契約結婚~
 相馬さんは、運転手にどこかの店の名前を告げている。

 こんなときに相馬さんとお酒なんて飲みたくない。
 決して飲めないわけではないけれど、今日は間違いなく悪酔いする。


「帰りま――」
「もう、黙って」


 私の発言を遮り語気を強める彼は、上司命令だと言わんばかりだった。



 二十分ほど走ったところで仕方なくタクシーを降りると、『La mer TOKYO』という大型商業ビルのエレベーターに促された。

 このビルはライバルの宮城不動産が手がけて大成功を収めている。


 ここの上層階には有名ホテルやレストランなどが軒を並べていて、彼はその中のとあるおしゃれなバーに足を進めた。


 店内は照明がほどよく落とされていて、大人の雰囲気が漂う。

 窓際の席に案内されると眼下に東京の夜景が広がり圧巻だった。


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